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ドイツ国際支援基金助成事業◇記憶の文化を育む②

2020年10月28日(水)

学校でデモのやりかた教えちゃう!?

~演劇で「市民」を育むドイツの取り組み~

 

ご参考資料

ドイツの連邦政治教育センターは3年に一度「政治演劇フェスティバル」を開催しています。この演劇祭から生まれたワークショップ案が出版されています。

学校教育の場で様々な政治テーマを子どもたちが学び、体験するために演劇の手法を取り入れたものです。

 

その中から一つ、著者のアンネ・パッフェンホルツさんのご許可をいただいて「デモのやりかた : すべての人に生きる場所を!」をご紹介します。

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デモ行進:すべての人に住む場所を!

指導案 (仮訳)

 

 

用意するもの

ポスター、ペン、のり、バナー用のほうき、教室

 

学習すること

合唱の練習、デモ行進、基本法(ドイツの憲法)

 

手順

児童たちは、政治的な問題に自らを投じてみて、自分たちの立場を表明し、その後、デモをしながら自分たちの意見を表現することを学びます。スローガンや言葉をポスターに分かりやすく配置します。また、グループ毎に一緒に唱えることができるシュプレヒコールの言葉を考えます。 準備ができたら、児童たちは実際に教室の中でデモ行進をしてみます。見物しているクラスメイトたちを説得してみます。

 

​指導のポイント

デモをしながら、自分の立場を大きな声で表現するように児童たちを奨励します。政治的な問題について自分の意見を表現する方法について考え、話し合ってみます。「政治参加のためにデモにはどんな可能性があるか」デモを見ている人たちにどんな影響があるか話し合ってみるのも良いでしょう。集会の自由に対する権利についても議論することができるでしょう。

 

 

「すべての人に住む場所を!」というテーマでデモのやりかたを授業でとりあげる場合の参考資料 (教員向け)

 

・想像してみましょう

あなたは、裕福な人だけが買うことができる高価なアパートが新しく建設されている地域に住んでいます。 あなたはそれが不公平だと考えました。この問題について何かをしたいと考え、政治家や投資家、建設業者にあなたの意見を述べることにします。そのためにデモを組織します。スローガンをポスターに書いて、シュプレヒコール用の言葉を考えてみましょう。できあがったら、クラスメートにデモを見てもらいましょう。

 

・以下のような問いについて話し合ってみましょう

a)抗議者の要求は正しい/間違っていると思いますか?

b)公共の利益にかなっていない場合、土地を没収することは認められていますか?

c)家賃引き上げ禁止などを含む「家賃上限法」(※1)についてどう思いますか? 無料で住宅に住む権利を認めるべきだと思いますか?

 

・ドイツ基本法(憲法)には何と書いてあるでしょう 

 

第8条 [集会の自由]

(1) すべてのドイツ人は、届出または許可なしに、平穏かつ武器を持たないで集会する権利を有する。

(2) 屋外の集会については、法律によって、または法律の根拠に基づいて、これを制限することができる。

 

第14条 [所有権、相続権、公用収用]

(1) 所有権および相続権は、これを保障する。内容および制限は、法律で定める。

(2) 所有権は、義務をともなう。その行使は、同時に公共の福祉に役立つべきものでなければならない。

(3) 公用収用は、公共の福祉のためにのみ許される。公用収用は、補償の方法と程度を規律する法律によって、または法律の根拠に基づいてのみ行うことが許される。補償は公共の利益と当事者の利益とを公正に衡量して決定しなければならない。補償の額に関して争いがあるときは、通常の裁判所への出訴が認められる。

 

...福祉国家としてのドイツ連邦共和国

福祉国家は基本法によってしっかりと支えられているが、その具体的な形は議会に委ねられている。 しかし、国家はすべての市民の最低限の暮らしを保証しなくてはならない。福祉国家については、基本法の第20条第1項と第28条に定められている。

※1 「家賃上限法」について​の参考記事 
「住宅没収は許されるか? ドイツで激しい議論」2019年5月3日 熊谷徹 
ドイツニュースダイジェスト
「家賃5年上げちゃダメ」 ドイツ首都、高騰で行政介入
2019年10月23日 朝日新聞

連邦政治教育センター

Federal Agency for Civic Education

(Bundeszentrale für politische Bildung/bpb)

紹介ビデオ (英語)

記憶の文化を育む
Fostering Culture of Remembrance
第1回 10月17日(土) 申込受付中
転換期にある記憶の継承~ナチ強制収容所記念館の現場から
第2回 10月28日(水) 申込受付中
学校でデモのやりかた教えちゃう!?~演劇で「市民」を育むドイツの取り組み
第3回 11月1日(日) 近日公開
ナチズム研究第一人者の東京大学教授・石田勇治さん
フリーライター・室田元美さん
第4回 11月 近日公開
メモリーウォーク~フランクフルト編
『忘却に抵抗するドイツ』著者・岡裕人さん
近日公開
第5回 11月 近日公開
近日公開
第6回 12月 近日公開
近日公開

本プロジェクトは、ドイツ連邦共和国外務省

およびゲーテ・インスティトゥートの

国際支援基金の助成を受けて実施します

Funded by the International Relief Fund of the German Federal Foreign Office,

the Goethe-Institut, and other partners: www.goethe.de/relieffund

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新型コロナウィルス感染症の状況をみながら、来年に延期の予定です。ご興味のある方は、下記よりご登録いただけますと実施状況などをご連絡させていただきます。
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