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インターン

差別の加害者になる可能性

初めまして。大学2年のA.E.です。2021年3月よりインターンをさせていただくことになりました。よろしくお願いします。こちらでのインターンを志望したきっかけは、昨年の2月から3月にかけてドイツで短期留学をした際に差別を経験したことです。


ヴァイマル・国民劇場 シラーとゲーテの銅像が立っています

ちょうどその時はヨーロッパでコロナの感染が少しずつ拡大していたときでした。ちょっど到着したくらいの頃は、「ドイツ人親切だな〜」と思いながらただただ楽しく過ごしていたのですが、徐々に「コロナ!」と笑いながら言われるなど、差別を肌で感じることも増えていきました。 特に留学の終盤では、歩いていると周りの人が服で口を覆ったり、電車で避けられたりするようになりました。今まで差別はどこか他人事のように思っていた私は、初めはかなり傷つき、なぜ差別をされなければいけないのかと反発していたのですが、次第に差別をしたことがないと自信を持って言うことは出来ない自分に気付きました。 このように考えるなかで、まず一人一人が差別の加害者になる可能性を認識して、自分を省みることが差別を無くすことにつながるのではないかと思いました。その前提として、まずは人々がホロコーストという差別が招いた悲惨な歴史を学び直視する必要があります。 そこで、ホロコースト史を学ぶ機会を提供しているKokoroでインターンをさせていただけば、そんな差別という大きな社会問題の解決に少しでも貢献出来るのではないかと思い、志望しました。 コロナ禍の中でインターンを受け入れていただき、貴重な体験をさせていただけることにこの場を借りて感謝申し上げます。これから全力で頑張ってまいりますので宜しくお願い致します!


ローテンブルク・オプ・デア・タウバー 市庁舎から見た景色

私は大学のプログラムの一環でドイツ・テューリンゲン州の州都エアフルトという街に約1ヶ月間滞在しました。平日の午前中はドイツ語の授業を受け、午後は班に分かれてフィールドワークを行いました。 私が調査したテーマはドイツの難民です。主にシリア人難民の家族、難民の精神的サポートを行うNPO、市役所の難民政策担当の方にインタビューを行いました。その中で、住居や働き口が見つからないなど苦しい状況下にいる難民が心ない言葉に傷ついたり、祖国にいた時の経験でトラウマを抱えながらも、異国の地ドイツで社会に溶け込もうと必死に努力しているのだと学びました。実際に難民の方や、難民と関わる方々から生の声を聞くことが出来たことは非常に貴重な経験でした。 土日は自由時間だったので、仲の良い友人達と小旅行に出かけました。 カラフルな建物が並ぶ小さな観光地ローテンブルクや、マリエンブルク要塞とレジデンツが有名なヴュルツブルク、バッハの博物館があるアイゼナハ等に行きました。 驚いたことといえば、真冬にも関わらず、どこの街にも共通してカフェでたくさんのアイスが販売されていることです。ドイツ人がアイスを好んで食べるイメージは無かったのでかなり意外でした。もともと私はアイスが大好きなので、色々なお店で食べ比べすることも滞在中の一つの楽しみになっていました。


ブーヘンヴァルト強制収容所 入口

ドイツ滞在中には、エアフルトから近いブーヘンヴァルト強制収容所も訪れました。 印象的だったのは、言葉で上手く言い表せないのですが、ゾクゾクとするような寒々しい、そして重苦しい雰囲気です。ホロコーストという歴史、多くの方が犠牲になったという事実が実感として迫ってくる場所でした。 収容されていた人々が身につけていた衣服や手紙、写真の展示は、誰かにとっての大切な一人一人が亡くなったのだという感覚を持つことが出来るものでした。 ホロコーストを引き起こした差別も、悪意をもって行われたものばかりでなく、周りに流されたり、無意識のうちに行われたものもあったはずです。 今思えば、このブーヘンヴァルトに行ったことが差別に対する考えが変化したきっかけになったのではないかと思います。自分も無意識のうちに誰かを差別しているのではないかと自らの行動を振り返り、反省する良い機会になりました。 コロナ禍が収束したら、ドイツやポーランドにある他の強制収容所も見学したいと思っています。皆様も機会がありましたら是非足をお運びになってみてはいかがでしょうか。


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