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​参加学生の声より

KI

    この旅で多くのことを学び、得ることができたが、最も有意義だったのは自分の芯を

    再発見できたことだと思う。

 この旅では、様々なことについて本気で話すことができた。もともと私は政治についての関心があるが、政治や教育といった話をできたのは高校生以来かもしれない。

 

 大学では皆、専門的なことを学ぶ。それ故に、専門外のことについてはわからないということになりがちである。しかし、専門的な知識だけでは足りない。ある程度の幅広い知識がなければ、他者とコミュニケーションをとるための土台が築けない。加えて、幅広く、深い知識を得るほど、それを糧に複合的に考えることができる。考えることは人間が人間たる証拠だとよく言われる。私もそのように考えるし、特に多視点から物事を捉えるのが重要だと思う。

 

 このような私の芯たる持論について再確認できた。

 

 今回の旅のメンバーはまさに十人十色で、様々な視点、考え方を学ぶことができた。また、ガイドの方々、そして石岡さんの考え方、視点、行動について学ばせてもらったことは多く、数えきれない。

 

 これからは、皆さんから学んだことをどう活かすか。それが問題である。私が目指すのは医師であり、今回学んだことを直接社会に還元できるかと問われると、疑問符が付く。しかし、生と死を見つめ続け、多くの人を関わっていくことを考えるとこの経験を生かしていけるのではないかと思う。方法についてはこれからゆっくりと探っていきたい。

 

 色々な考えを学びながらも自分の芯は見失うことなく、考え続ける。それはとてつもなく面倒なことである。そして、自分を捉える柵に気付いてしまう辛いことでもある。しかし、私はそれをやめようとは思わない。これが私の芯たる性であり、見失いたくはない。

 

 最後に今回の旅のメンバー、ガイドの方々、石岡さんと最高だった旅に感謝を。本当に有難うございました。

K. I. 

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yui

    この十日間は今までで一番濃い十日間でした。

    

    観光としては初めて実際にヨーロッパの街並みを見て感動したり、日本食のレストランでおかしなものが出て面白かったり、いろんな初体験で毎日が新鮮でした。

 

しかしそれ以上に自分の考えや視野が広がったこと、人との出会いがこの旅で一番大きく得たものだと強く思います。私は自分の考えを言葉にしたり表現するのに苦手意識があり今まで積極的にできていませんでした。周りの意見を聞くことが大事だと、言い聞かせて逃げていることもありました。

 

でもそれはダメなのだと今は思います。考えることを放棄して周りの考えに従い続けた結果がホロコーストや多くの犠牲を生んだと学んだからです。たとえ自分が少数派であって反対の声が多かったとしても声をあげ続けた人たちのおかげで、その考えや行動を記録として残し、昔の過ちを認め今度に活かしていこうとする姿勢が作られているのだと感じました。

 

私はそのような姿勢をずっと持ち続けられて、自分の意見を臆することなく伝えられる人になりたいです。ではなく、いつか絶対なります。今までの自分だったらこんな決意をしてもすぐに諦めてしまっていたと思います。でも今はそうは思いません。このツアーで出会ったみんなに胸を張って会えるような人でいたいと思うからです。

 

それぞれ違う個性を持ちつつも受け入れあって本音で話し合える本当にいい仲間ができて嬉しく思うと同時に頑張らなきゃと感じています。

最後に一番印象に残っていることについて。ベルリンの抵抗記念館でガイドの方がテロとの線引きについて話していたことが印象に残っています。ヒトラー暗殺のために爆弾を仕掛けて犠牲者は出たがヒトラーを殺すことはできなかった。それはテロと言えなくもないのではないか。今ではその行為を正義と呼べるのかもしれないけど、当時はどう捉えられたのか。現在もテロは無くならないけど、どんな意図があって行動に移してしまうのか。ただテロと一括りにするだけでなくその意図を考えようとしなければテロは無くならないのではないかと感じました。

ゆい ​早稲田大学 文化構想学部2年

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kanae

    客観的に日本を見ることができるようになったと思う。特に印象に残っている都市は

    ベルリンである。ドイツの戦争責任の捉え方を感じられる記念館や記念碑が街中に存在

    していることや、マイノリティを受け入れる姿勢を街全体で表現していることに私はとても驚いたし、日本の都市とドイツの都市の比較もできた。
 

 また、強烈に印象に残った所はアウシュビッツ強制収容所である。ガイド中谷さんがおっしゃっていた「グローバル化が進んだ現代の危険性」については深く共感した。グローバル化が進み他国の文化や人と関われば関わるほど、アイデンティティをより顕著に意識するようになり、「自分と他」と言うグループ分けをしやすくなってしまう。ナショナリズムが高揚した第二次世界大戦時の悲劇であるアウシュビッツ強制収容所を代表とするユダヤ人問題などや、現代の難民問題はこういった原理だと思う。

 

 他と比較することは、客観的に自分や自国を見つめることにもつながるし、差別意識にもつながる。そのことをしっかり心に留めておくことが大切なのだと改めて考えさせられた旅であった。
 

 そして何より、ツアーメイトや現地ガイドさんの多様な考え方に触れられたことが大きな収穫である。今回のツアーで出会った人達は皆、「生きること」について考えていた。

 

 「人間とは?」「自分とは?」と悩み、「生きること」について考え続けることは、本当に自分が壁に当たったときに役に立つ。そのことを考えるきっかけを与えてくれた皆に感謝したい。

 

 そして、人間が物事を考えるきっかけを得るのは、他者との関わり合いの中であると実感し、「他者と関わることの難しさ」と「他者と共存していく必要性」を学べたツアーであった。

三重大学教育学部2年 原田恵理

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ゆきひろ

    ツアー前、まだ一度も会ったことがない方たちと旅行するという点で、緊張した気持ち

    も抱えていました。ですが、初日から多くの方と話をすることができ、すぐにみんなと

    打ち解けることができました。
 

 ツアーメイトの大学・学部も多種多様で、将来の目標も人それぞれ異なっていました。自分が今まで知らなかったことを知ることができ、みんなの将来の夢・現在世界で起こっている出来事に対しての考えや思い・普段の大学生活の様子を聞くことができました。毎日、みんなと話していて、本当に良い刺激を受けました。(中略)

 

 毎日起こるハプニング・みんなで乗った寝台列車・きれいな街並みに囲まれながら、たくさん歩き(走り)回って楽しかったプラハ散策・たくさんの名所に行くことのできたベルリン観光などなど数えきれない思い出ばかりです。料理も、3か国ともとてもおいしかったです。

 最高のツアーメイトに出会えたことも本当に幸せです。時には本音で話し合うことができた個性豊かな最高のメンバーです。また、みんなでどこかに出かけたいです。

 

 ぜひ、多くの方々にこのヨーロッパピーススタディツアーに参加してほしいです。

​早稲田大学法学部2年 ゆきひろ

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kanae

    私は旅に参加しようと思った理由とか、事前学習とか、みんなより圧倒的に足りなく

    て、始めはすごく焦ったし、場違い感がすごかったです。私ここにきて良かったかなと

    か、みんなの会話についてけるかなとか、色んな不安がありました。

 

 そんな中、アウシュビッツ博物館で始めて鞄や靴の展示を見たとき、こんなものまで展示してあるんだと圧巻されたと同時に、恐怖感がぞわぞわと忍び寄る感じがしました。本当にここでたくさんのユダヤ人が殺されたこと、その一人一人には様々な過去、未来があったこと、それを想像するだけでぞわぞわが止まらなかったです。私と変わらないくらいの歳の子、私と変わらない境遇の子も居たはずで、ユダヤ人という不当な理由で殺されたという事実。その事実を受け止め考えることの責任の重さ、多分みんなが事前学習で感じたことを、私はこのとき初めて感じました。その新鮮な感覚で博物館を回ったこと、当時はすごいキツかったけど、今ではそれで良かったのだと思います。
 

 中谷さんの言葉がとても印象深かったです。「この事実に対して悲しむのではなく、考えることが大事」実際恐怖感を感じてた私にぐさりと刺さりました。これで終わらせてはいけない。この恐怖感を感じて、何故このような事が起きたのか、これから2度と同じ事が繰り返されないようできることはあるか、考える事が大事なんだと気づかされました。

 

 またみんなに会うときに、今の自分より成長していたい、対等でいたいという感情が、今の自分の意欲に繋がってる。ほんとに今回参加して良かった〜〜!

法政大学文学部2年 K.S.

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しい

    強い印象を受けたのは、アウシュビッツ強制収容所で中谷さんに言われたことです。

    「このツアーに参加する人は、多数派に疑問をもって、敢えて少数派の立場に立てる人

    だと思う。」

 人はいつの時代も、複雑・多面的な難題を前にしたとき、多数派の潮流に身を投げてしまうものなのだと思います。あるいは、自分の抑圧してきた本音や願望を、すくいあげてくれるリーダーを崇拝してしまう傾向があるのではないでしょうか。それがかつてのホロコーストだったし、それが現在のポピュリズムだと僕は思います。

 

 僕たちに必要とされるのは、責任をもって「考える」ことだと思います。確かに、わかりやすく単純化された説明をのみこんだり、本質を理解できないことに対する”わけのわからないイライラ(by中谷さん)”をヘイトの形で誰かに押し付けたりするのは、とても簡単だし、楽なことです。だけど、それでは問題の根っこを解決することはできないはずです。その場しのぎの解決策はより深刻な問題を産み、それが繰り返されるうちに、いつのまにか誰にも止めることのできない事態に陥っていた、なんて話は、歴史を振り返ってみればたくさんあるように思われます。(中略)
 

 たくさんの思い出が、この10日間には詰まっています。だけど、それらの中からとっておきの思い出を1つ選びなさいと言われたとしたら、「この10人に出会えた」という思い出を、僕は迷うことなく選ぶでしょう。みんなほんとうにありがとう。

神戸大学発達科学部2年  椎木慎太郎

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このみん

まだ走り出してはいませんが、この旅で「ドイツでソーシャルワークを勉強して、自分で近現代史を勉強する」という目標が見つかったこと、どこかで今も頑張っている仲間がいると思えることは、今日本にいる自分をとてもとても勇気づけてくれます。

 

私は今、長野県の無言館というところを見学しています。戦没画学生の絵を見ました。私なんかからみるとどれも立派な絵でした。でもこれを描いた本人たちはもっともっと絵を描いていたかったのに、戦争に行かなくてはいけなかったんだなと思うと、そこで亡くなったのだと思うと、絵の青さややり切れなさ、今も残る「命」と今はもうない「命」に思いが至りました。無言館の近くにある、檻の俳句館という、約80年前に、戦争や軍国主義を批判、風刺した俳句等をつくって投獄された人たちの俳句が展示されているところにも行きました。

 

館主のマブソンさんがおっしゃっていたのは、「国は戦争に向かうとき、マスコミ、教育者、芸術家を黙らせるところから始める」ということでした。私たちが黙ってはいけないなと思います。マスコミの報道を受け取る者として、教育を受ける者として、芸術に触れる者として、国が黙らせにかかっているのを、黙って見ているだけではいけないと思うのです。(中略)

おかしいと思ったことにはちゃんと主張する。これがなにげに私は苦手だけど、ちゃんと言える人になりたい。ひとりじゃないしね。

 

みんなと出会えたことは一生の宝物になるでしょう。しんどいときは、この10日間とみんなの顔を思い出します。また会える日まで、ときには休みながら、それぞれの目標に向かって歩んで行きましょう。

​学芸大学教育学部ソーシャルワークコース 奥田木の実

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