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みき

解放75周年 オンラインで記憶を繋ぐ

お久しぶりです。ベルリンからみきです。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響が世界中で現れていますね。ドイツでも3月以降からの外出制限措置が続き、ここ数日で段階的に緩和がされつつも、学校や大学は開かれず、いまだに通常の生活には戻れていない日々です。

さて、今年は終戦75周年の節目の年。ヨーロッパでは第二次世界大戦の終戦記念日は5月8日とされています。日本は毎年8月になるとあの戦争について考える機会が増えてくるような気がしますが、ヨーロッパではそれが今、という雰囲気です。この日に合わせてドイツでも記念式典や記念プロジェクトが企画されていましたが、そのほとんどが中止、またはオンライン開催となりました。今はすべての博物館も閉まっているため、そこで予定されていたほとんどの展示やイベントも影響を受けています。(なお、ドイツでは今日から一部の博物館が開館することになっています。)

ドイツで戦争の記憶が取り扱われるときは、必ずホロコーストの記憶も想起されます。戦後75周年、これはホロコーストの記憶にとっては、多くのユダヤ人、戦争捕虜、反体制派、同性愛者、障害者、シンティ・ロマなどが犠牲となったナチの強制収容所の解放から75周年という意味をもちます。国連が定めた「ホロコースト国際デー」は1月27日、現在のポーランドにあるアウシュヴィッツ強制収容所が1945年に解放された日です。しかしその日にホロコーストが終わったわけではありません。ドイツ帝国領内にあった多くの収容所では、4月から5月頭にかけて、米軍、英軍、ソ連軍によって解放されるまで、あと数ヶ月も待たなくてはなりませんでした。その間にも多くの人々が犠牲になりました。ドイツ領内のベルゲン・ベルゼン収容所にいたアンネ・フランクもそのうちの一人でした。

この4月、各地の収容所跡地の記念館では、たくさんの生存者やご遺族をゲストに呼んで記念式典が開かれる予定でした。しかし、新型コロナの影響で、その全てが開催中止となってしまいました。この重要な節目の年に、証言者の生の声を通して記憶を繋げる機会が失われてしまうことは本当に残念でなりませんが、嘆いているだけでは仕方ありません。各施設はこの機会をなんとか失わせないために、オンラインを使って様々な工夫を凝らした配信をしています。それぞれの解放記念日に合わせて、「解放75周年」プロジェクトが公開されているので、ぜひシェアさせていただきたいと思い、ここにいくつかご紹介させていただきます。

ウェブサイトは英語(一部はドイツ語のみ)ですが、こうやって記憶を繋げる工夫と努力がされているという雰囲気だけでも味わってもらえたらと思うので、ぜひ覗いてみてください。

ブーフェンヴァルト収容所(4月11日解放)

ベルゲン・ベルゼン収容所 (4月19日解放)

ザクセンハウゼン収容所(4月22日解放)

フロッセンビュルク収容所(4月23日解放)

(※音声が流れます)

ダッハウ収容所(4月29日解放)

ラーフェンスブリュック収容所(4月30日解放)

ノイエンガメ収容所(5月3日解放)

マウトハウゼン収容所(5月5日解放)

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