
記憶の文化を育む 第3回
2020年11月1日(土) 開催報告 人はなぜ記念碑をつくるのか ホロコーストと第二次世界大戦の記憶のカタチと私たちの未来 参加者の皆さんの感想より ドイツがどのような道を辿って、戦争責任と向き合ってきたのかがわかりました。ドイツが辿ってきた道のりは少なからず、日本の歴史教育に何かヒントを与えてくれているように思えました。日本にも加害の歴史を伝える、記念碑があることを知りました。最後の対話の場で様々な意見が聞けて、歴史教育や記念碑のあり方などを考えるきっかけになりました。ありがとうございました。(10代) 石田先生の講演の内容が濃く、大変勉強になりました。特にドイツの戦時強制労働問題については、日朝の強制連行問題を考える上で、参考になりました。また過去の克服が一筋縄でなかったことが、各政権の戦略まで細かく見ていくことで、よく分かりました。今回の内容はせめて2回に分けておうかがいしたいほどの濃いもので、もう少しお時間が欲しかったように思います。過去の克服が1回、そのあとにドイツの日本の碑の話の回で1回でもよかったかもしれないですね。体験世代がいなく

記憶の文化を育む 第2回
2020年10月28日(水) 開催報告 学校でデモのやりかた教えちゃう!? 演劇で「市民」を育むドイツの取り組み ドイツの連邦政治教育センターのアンネ・パッフェンホルツさんとペトラ・グリューネさんに、同センターの設立経緯やミッション、三年毎に開催される「政治演劇祭」についてご講演いただきました。政府の機関でありながら、政治的な中立を重んじ、ナチ時代の反省だけでなく、ヘイトスピーチ、経済格差など現代社会の問題解決のために「市民」の育成を目指して、様々な取り組みを展開する様子は興味深いものでした。歴史に真摯に向き合うドイツのありようは、日本でも「民主主義を学ぶ」ことの必要性を改めて感じさせられるものとなりました。後半は、日本の演劇界を代表するいずみ凜さん、大谷賢治郎さん、田辺素子さんにもコメントをいただきました。この講演の中にあった、民主主義を演劇で学ぶという方法論は、第5回の朗読劇での試みにつながりました。 \参加者アンケートより/ 民主主義を守り続けることを国全体で真剣に考え、取り組んでいることを知り、感動しました。同時に、日本ではどうしていかな

筑波大学
教育学修士プログラムの学生さんたちとオンラインでワークショップ「アクティブラーニング」を実施しました。じっくりと時間をかけて、Question Formulation Techniqueを取り入れたプログラム。様々な視点の対話が生まれました。 参加者の皆さんの感想より 人類は負の歴史を持っている。ホロコーストもそのうちの一つと言えるだろう。そのような歴史を学ぶとき、どのようなアプローチを採ればいいのか、ということを考えていた。体験者からの語りや、それを受け継いだ人々の訴えに耳を傾けることも大事だが、どうしても聞く方が受け身になりがちだったり、辛い歴史に耳を塞ぎたくなってしまったりする。その結果、「過去の話」という箱にエピソードを詰め込んでしまい、現在の自分との接点をイメージ出来ぬまま、いつの間にか話そのものの記憶も薄れていくということが起きてしまう場合も多いのではないだろうか。その点、石岡先生の授業は新鮮だった。ただホロコーストの悲惨さを訴えるだけではなく、参加者全員がどんどん「問い」を作って投げかけていくことが求められたからである。「問い」を投

記憶の文化を育む 第1回
第1回 2020年10月17日(土) 開催報告 転換期にある記憶の継承 ナチ強制収容所記念館の現場から ベルリン郊外にナチ時代初期につくられた強制収容所ザクセンハウゼンの記念館があります。ここでガイドを務める中村美弥さんをお迎えして、ドイツの歴史教育の現場で感じることや、ご自身の研究テーマである収容所内の性暴力とその被害者に対する戦後補償についてご講演いただきました。
\参加者アンケートより/ 強制収容所内の性暴力の問題について、今までタブー視されたり、沈黙されてきたことで明らかにされてこなかったと聞きました。ナチ時代の障害者に対する迫害も長い間明るみに出なかったと聞いています。声なき声をどのように聞き取るのか、これはホロコーストに限らず虐げられた弱者の声を聞く作業として、現在の問題にもつながると感じました。 (50代) わたしはホロコーストをユダヤ人の迫害ととらえていました。ロマ、身体障害者、政治犯という方々が含まれていることは知っていましたが、少数のケースだと思っていました。今回、ザクセンハウゼンの、アウシュビッツなどとは、異なる特徴を