

記憶を歩く。in ブダペスト(後編)
こんにちは、Kokoro事務局のみきです。 更新が遅くなりすみません。 前回に引き続き、もう少しハンガリーのお話についてお付き合いくださいませ。 ブダペストにあるもう一つの気になる記念碑は、街の中心部、 たくさんの観光客が行き交う場所にありました。 それがこちら。 一瞬、ん?何これ?、と思いますよね。そこら辺にありそうな…(といったら怒られるかな) 真ん中に天使、その上に鷲が飛びかかっている様子を表しています。 この記念碑は、2014年7月20日、ハンガリー政府によって突如として建てられました。 近年、右傾化が進んでいるといわれるヨーロッパですが、 特にハンガリーを含む東ヨーロッパ諸国ではその傾向が強く出ています。 2010年に再任したオルバン首相は、移民をハンガリーの「毒」だと言い、 「民族が混ざりすぎると問題が起こる。」といった過激な発言を繰り返しています。 ハフポスト日本版2017.3.9 http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/08/hungary_n_15252372.html そんな首相のもと、建て


哲学対話
この冬も大学生と一緒に、ポーランド、チェコ、ドイツの5都市を訪ねてきました。 いつも個性的な学生たちとの旅は楽しく、発見が多いです。今回は特によく語り合う学生たちでした。自己紹介にはじまり、日頃の学生生活のこと、アウシュヴィッツやベルリンで見たことなど、朝ごはんを食べながら、移動の列車の中で、話がつきないようでした。 農学、文学、発達科学、理工学、文化構想学、医学、法学、ソーシャルワーク、教育など様々な専攻の学生たち10名です。愛媛、岐阜、三重、東京、福岡、宮城、兵庫、神奈川、新潟など出身も現在の居場所も日本全国ばらばら! 「日常ではホロコーストについて思うことを話せるような機会があまりない」という学生たちでしたが、アウシュヴィッツではガイドの中谷剛さんにこんな言葉をかけられました。 「(休みにお金をかけて)このツアーに参加した君たちは、日本では少数派かもしれない。でも多数派に疑問をもったときに、立ち止まれる勇気に期待してこの場所を案内するよ。世界規模で見れば、ここには200万人を超える人たちが見学に来ているんだから、自信をもって。」 そして、ア


高校生「図説政経」にハンナのかばん登場
高校生向け『最新図説 政経』の表紙に「ハンナのかばん」が掲載されました。 人が生まれながらにして持つ基本的人権。その基本的人権を守るために、私たちはいかに民主主義を機能させればよいのか。「政治・経済」で学ぶ様々な単元で、「ハンナのかばん」を入口にして想像をたくましく膨らませながら学んでほしいです。 ちなみに、政経の資料集の中には、ナチ時代の歴史への言及が数か所ありましたが、一ヶ所は「法治主義から生まれたナチス・ドイツ」・・・"なお戦後のドイツは、憲法で「たたかう民主主義」を掲げ、人権を保障した憲法を厳守する国家となった"。もう一ヶ所は、ファシズムの拡大に役割を果たした「マスメディア」。 高等学校社会 2018年度版
最新図説 政経
B5判、416 ページ
浜島書店
http://www.hamajima.co.jp/books/sh/detail/121500


記憶を歩く。in ブダペスト(前編)
こんにちは、Kokoro事務局のみきです。ブログでは初めましてですね。 昨年からKokoroでお仕事をさせていただいています。 特に自分の興味のあるテーマは、「記憶」についてです。 この記事でも、それについて書いてみたいと思います。 さて先日、初めてハンガリーの首都ブダペストを訪れました。 ハンガリーと聞くと、まずどんなことを思い浮かべるでしょうか? ブラームスのハンガリー舞曲?ドナウ川?オーストリア=ハンガリー帝国?豚ペスト? 実は私もこの国について知っていることはその程度でした。 しかし、ある方との出会いをきっかけに、ハンガリーについて学ぶことになりました。 Kokoroでここ数年お付き合いのある、日本在住の唯一のホロコースト生存者であり、 先日のイベント「ホロコースト国際デー2018 in 東京」にもお招きした、 ヤーノシュ・ツェグレディさんです。 ヤーノシュさんがブダペストご出身ということで、 ハンガリーのナチ時代の歴史、ホロコーストとの関係について調査したんです。 そのうちしだいに実際に現地を見てみたいという気持ちが湧き出て、 この度、